花あかり、言の葉

大好きを綴るためのやわらかな場所

BUMP OF CHICKEN に人生を2度救われた話

”もうきっと多分大丈夫 どこが痛いか分かったからね
自分で涙拾えたら いつか魔法に変えられる”
( Aurora / BUMP OF CHICKEN )

 

真っ暗闇の果てに飛び込んできたその音は、ひとすじの光だった。

 

長い人生のほんの一部ではあるが、当時は人生のどん底と言っても過言ではない日々を送っていた。「生きている」のはどうにか心臓を動かしているから、というくらいの気持ちでいた。それまで好きだったことも何もする気力すらない。大好きだった音楽を聴くことも、それは同じだった。

 

「このドラマの主題歌、バンプなんだね」と家族から連絡が来たときも、かろうじて情報を知っていたくらいで、「そうだね」としか返すことができないくらい離れていた。

そんな私が、何を思ったのかAuroraのMVが解禁されるその日に限っては情報が耳に飛び込み、「どうしても」観ないといけない、そんな気持ちになったのだ。

テレビで流れていたCMの一部分がそう思わせていたのか、めずらしく家族から持ち掛けられた話に少しばかり気持ちが揺れたのか、原因はわからない。

 

意を決して再生ボタンを押す。世界が変わった音がした。
BUMP OF CHICKENに人生を救われたのはこれが2度目だった。

__________

 

“生きるのは最高だ”
( ray / BUMP OF CHICKEN )

絶対に参加したい。そう決めてから必死になって取ったチケット。念願の aurora ark ツアーで、涙でべしょべしょになった顔で、心から笑って彼らと一緒にそう叫んだ。

 

__________

 

「音楽を聴けないくらい辛くて、苦しくて、どうしようもない日が来るかもしれない。僕らの曲は君を救うなんてことは言えないけれど、君に聴いてもらえる日が来るまでずっと、曲たちがそばにいるから」
「じっと、そこで待っているから」

 

これはメットライフドーム2日目( 7/13 )での藤原さんの言葉だ。※MC意訳

 

何をどう頑張っていいのかがわからなくて、暗い闇の中から抜け出せずに、大好きな音楽すら聴けなかったあの時。耳に飛び込んできたのは、彼らの音だった。
この言葉をあの日、私が聞くことができたのは奇跡なのかもしれない。偶然なのかもしれない。それでも、こんなにも心を震わせてくれる言葉をもらったことには、きっと私にとって何か生きる意味があるのだ。

 

人生がこれからどう進むのかはわからない。もしかすると、あれ以上のつらいことも待ち受けているのかもしれない。それでも、私は生きて生き繋いで、また彼らに会いたいと強く願った。

 

aurora ark ツアーではほとんどの会場で「僕らの曲はずっとそばにいる、君に聴いてもらうためにそこにいる」といった、一貫したテーマを藤原さんが伝えていたように思える。

 

本当にありがとう。バンプに助けてもらってばっかりだ。

 

”生きる力を借りたから 生きている内に返さなきゃ”
( 花の名 / BUMP OF CHICKEN )

そう思い、自分なりにできるものを考えた結果、ブログを立ち上げることに至った。しかしながら、思いもよらなかった世の中の情勢に流されて年末のこの日まで何も綴ることができていなかった。

この記事をひとつの目印として、これまでもらったものたち(初めて救われた時の話等)、これから出会う音や風景、そういったものを自分の言葉で綴っていきたい。

 

最後に、あの日の終わりに藤くんが言った熱を帯びた言葉たちは、きっとこれから先もずっとずっと忘れることはない宝物として大切に持ち続けていきたい。